【ハロー効果】
人やものに関する一つの鮮やかな印象が総合的な印象に影響する効果を「ハロー効果」と呼ぶ。有名な政治家の息子である政治家は能力があると思ったり、体育大学の出身者はすべてのスポーツが得意だろうと思ったりするのは「ハロー効果」の影響。「ハロー」とは神様などの頭上に描かれる、尊敬に値することを示す光輪のことだ。鮮やかな印象によって後光が差したような状態となり、その対象全体を正しく判断できなくなるのだ。
テレビショッピングが、商品の広告にイメージの良いタレントを起用するのも、目立つタレントによる「ハロー効果」を商品のアピールに活用するためだ。その人のイメージに影響されて、商品自体の印象まで良くなってしまう。
【フレーミング効果】
3月21日に配信した記事「『1日100円』『1カ月3000円』保険に入るならどっち? 売り手が仕掛ける『フレーミング効果』に惑わされない」では、売りたい商品の印象を変える「フレーミング効果」について解説した。テレビショッピングでも、この効果がよく使われる。
単に売りつけようと安さを連呼するのではなく、「限定商品」「赤字覚悟」「産地直送」「出血サービス」などと、安さを示すことが明確にわかる言葉で安さを明確にして、購買意欲を刺激するのだ。
【アンカリング効果】
何らかの判断や予測をするときに、最初に示された数字やもの、過去に経験した記憶などの情報に強い影響を受けてしまう心理的バイアスを「アンカリング効果」と言う。「アンカー」は言うまでもなく「船の錨」の意味。初めの情報が錨のようになって、錨を下ろした船と同様に、錨の近くの狭い範囲内でしか判断や予測ができなくなってしまう。
短時間で判断する必要が生じると、人は最初に「あたり」をつける。その後、より正しい判断が下せるように「調整」する。最初の「あたり」がアンカリングの影響を受けていると、十分な調整が行えず正確な判断から離れてしまうので注意が必要だ。テレビショッピングで値引き前の金額が示されると、その数字の「アンカリング効果」で、値引き後の金額が一層安く見え、視聴者の背中を押すことになる。
(構成 生活・文化編集部 上原千穂)