殺伐としたネット論壇を離れ、ビジネス界に氾濫する時短単語をあげておこう。名詞に-izeをつけて動詞にするアメリカ的な用法で、プライオリティーはプライオリタイズという動詞に、インセンティヴを与えることはインセンテイヴァイズになった。

 インパクトがあることもThe film impacted me.(あの映画、超インパクトあった)で通じてしまう。ぴったりの動詞が思いつかないときは、知っているカタカナ名詞をそのまま動詞にしても通じるラクちんな時代が到来するかも。

 最後に、できたてホヤホヤの流行語は何と言ってもコンマリ。19年1月、近藤麻理恵さんによるネットフリックスの自己啓発お片づけ番組「Tidying Up with Marie Kondo」が大ヒットすると、ついにはKonmari(コンマリ)が動詞として人気テレビ番組や大手新聞でも使われるようになった。

 意味は「spark joy(ときめく)もの以外はde-clutter(処分する)コンマリ式に掃除する」。英語での世間話に困ったとき、とりあえずコンマリを話題にしておけば場が持ちそう。サンキュー・コンマリ! HTH(Hope this helps.)!(ライター・鈴木あずき)

AERA 2019年3月18日号より抜粋