
水泳選手の池江璃花子さんが公表したことで注目されるようになった白血病。その症状は様々で、症状から白血病だと気づくことはなかなか難しいようだ。
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「体のだるさを感じることが多くなっている」
「疲れの抜けが遅くなっているなと感じる」
2月12日に、白血病と診断されたことを公表した競泳女子の池江璃花子選手(18)は、今年1月頃から、そんな自覚症状を口にしていた。
白血病は血液のがんだ。血液細胞(白血球・赤血球・血小板)のうち、白血球ががん化する。異常ながん細胞が増えることで、正常な血液細胞が不足し、さまざまな症状が現れる。
NTT東日本関東病院(東京都品川区)血液内科部長の臼杵憲祐さんはこう話す。
「症状は不足する血液細胞によって異なります。例えば、細菌や異物の体内への侵入から体を守る役割のある白血球が不足すると、抵抗力が落ちて風邪が治りにくくなったり、重症化して肺炎になったりします」
池江選手の場合、体の倦怠感などを訴えていることから、赤血球が不足したのではないかと臼杵さんは話す。
「赤血球は肺で取り込んだ酸素を体中に運ぶ役割があります。それが不足すると、貧血を起こしたり、動悸や息切れ、めまいを起こしたりするなど、心臓や脳がうまく働かなくなります」
血小板はどうか。
「血管を守り、止血の役割のある血小板が不足すると、鼻血が止まらなくなったり、内出血で青あざが現れたりします」(臼杵さん)
ただ、こうした症状が出ても、自ら白血病と判断するのは難しい。これらは白血病特有の症状ではないうえ、「不調」であって「緊急性」は感じづらい。
「出血が止まらないと救急で運ばれてきて白血病が発覚するケースもありますが、不調を訴えたかかりつけ医での血液検査を通して専門医につながるケースが大半です」(同)
それでも、不調の程度はありそうだ。2017年5月に病状がゆっくり進行する「慢性」白血病と診断された川崎市の女性(43)は、そのときの思いを「ほっとした」と振り返る。体の異変を14年頃から感じ、原因不明のだるさと闘っていたからだ。