自信のなさが視線耐性の低下という形で浮き彫りになっている現代の日本社会。他国では様子が違うようだ。18カ国・地域の18~74歳の男女1万3千人以上を対象に調査したアダルト用品大手TENGAによるリポートを見ると、自信に対する価値観が分かる。
リポート内に、「理想の男性」に求められる資質という項目がある。主要国1位と2位を、ほとんどが「誠実である」または「頼りがいがある」が占めているのに対し、中国の1位は「自信がある」。
日本国内を旅行する中国人観光客が、「なぜこんな場所で?」と思うような場所で、自信満々にポーズを取ってはカメラに収まっている姿を目にすることがあるだろう。自信の誇示が大事であって、場所は二の次なのかもしれない。
ちなみに、中国社会で自信を重宝する背景には、日本とは比較にならない激烈な競争社会であることが関係している。中国で競争社会に勝ち残るためには、努力や才能に加え、家系や財力といった生まれながらの要素も求められる。彼らにとって、そうした要素が備わっていないことを意味する自信のない姿を見せることは、デメリット以外の何ものでもないのだ。
日本の3位にランクインしている「礼儀正しい」を、他の国ではそれほど重要と考えていない。日本人よ、礼儀も大事だけど、併せて自信も身につけようよ!(ライター・我妻弘崇)
※AERA 2019年2月4日号