
世界で活躍する若きバイオリニスト、三浦文彰さんがAERAに登場。これまでの活動や今後の展望について話を聞いた。
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史上最年少の16歳で、難関といわれるハノーファー国際バイオリンコンクールで優勝。NHK大河ドラマ「真田丸」の腹にこたえる戦慄的なバイオリンのテーマ音楽で話題になった。母親のおなかにいる時に行ったバイオリニスト、アンネ=ゾフィー・ムターのコンサート中に、初めておなかを蹴ったというバイオリンの申し子だ。
両親ともにバイオリニストの音楽一家に生まれ、3歳からバイオリンを始める。ナタン・ミルシテインやダヴィッド・オイストラフといった巨匠の演奏を、子守唄がわりに聴いていた。
「変な子どもですよね(笑)」
昨年、「サントリーホーARKクラシックス」という音楽祭のアーティスティック・リーダーに、ピアニストの辻井伸行と共に就任した。
「いまの日本の演奏者はすごくレベルが高くて。音楽祭で小編成オケを作ったのですが、日本のレベルの高い演奏を世界の人にも注目してもらえたら」
音楽祭では無料のライブビューイングも行った。クラシックの世界に気軽に入ってきてほしい。そういうきっかけを作りたいと思っている。
「クラシック音楽は最高なので」
自分の音をはっきり持っていたいと思うが、指揮者による様々な解釈はとても面白いし、フレキシブルでいる方がやっていて楽しいと思う。
「毎回違った方が演奏していても楽しいし、お客さんにも『そういう演奏する時もあるんだー、三浦』みたいに思ってほしい」
いま挑戦してみたいのは、20世紀初頭のウィーンで活躍した作曲家、アルバン・ベルクの曲だ。
「『真田丸』を一緒にやった指揮者の下野竜也さんとやりたいね、と言っています。むしろ『絶対やれ』と言われています」
(編集部・小柳暁子)
※AERA 2019年1月21日号

