学校や仕事、生活での悩みや疑問。廣津留さんならどう考える?(撮影/吉松伸太郎)
学校や仕事、生活での悩みや疑問。廣津留さんならどう考える?(撮影/吉松伸太郎)
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小中高と大分の公立校で学び、米・ハーバード大学、ジュリアード音楽院を卒業・修了したバイオリニストの廣津留すみれさん(29)。その活動は音楽だけにとどまらず、大学の教壇に立ったり、情報番組のコメンテーターを務めたりと、幅広い。「才女」のひと言では片付けられない廣津留さんに、人間関係から教育やキャリアのことまで、さまざまな悩みや疑問を投げかけていくAERA dot.連載。今回は、「非の打ち所のない廣津留さんにも苦手なことはあるの?」という、30代女性からの疑問をぶつけてみた。

* * *

Q. 廣津留さんは非の打ち所がない女性に見えて素晴らしくて憧れる反面、凡人離れしていて「私は絶対こんな風になれない……」と、自分と比較して落ち込んでしまいます。苦手なことやお茶目なところがあったら、ぜひ教えてほしいです。

A. えっと、料理が苦手ですね。全然やらないんです(笑)。ニューヨークにいるとき、炒め物を作ろうとして鍋に油を入れて火にかけている間に野菜を切っていたら、ボッと音がして火が燃え上がったことがありまして……。しかも、パニックになって馬鹿なことに水をかけちゃったんですよ! 火は燃え上がり続けて、「どうしよう~」と思いながらも、しばらくただ燃える火を見ているしかできなくて。幸いなことに、しばらくしたら火がしぼんでいったからよかったけど、水をかけたことをルームメイトに言ったらすごく怒られました。鍋の蓋を閉めたり濡れタオルをかけたりといった発想がなかったですね……。これは料理が苦手以前の問題で、知識のなさが引き起こした事故なんですけど、それ以来、ちょっとしたものを炒めるのも怖い(苦笑)。

 あとは、ものすごい方向音痴です。ニューヨークのマンハッタンは碁盤の目のようになっていて分かりやすいはずなのに、毎回どっちに向かって進めばいいか分からなくなっちゃうんです。街角で警備員さんに道を尋ねて行き方を教えてもらって、自分ではその通りに行ったつもりが、また同じ警備員さんのところに戻っていたということもあったくらい(笑)。いま住んでいるところは、大きな幹線道路から細い道に入っていくような場所なんですけど、タクシーで帰宅するときは自分がどっち方向から来ているのか分からないから、運転手さんに「あの信号を曲がってください」って言うことしかできなくて。「どっちに曲がるんですか?」と聞かれるたびに「右か? 左か?」って迷っています(笑)。

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苦手なことへの廣津留さん式チャレンジ法