※写真はイメージです(写真/Getty Images)
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他人の視線が怖くなったり、相手の目を見られなくなったりする悩み、症状を「視線恐怖症」と呼ぶ。悪化すると仕事や学校生活に支障をきたすことがあり、注意が必要だ。環境が変わり、出会いが増える春に知っておきたい視線恐怖症の症状や原因、対処法を公認心理師に聞いた。

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 春は生活環境が変わりやすく、「周りになじめるだろうか」「人前で話すのが怖い」といった不安がつきまとうものだ。「自分は緊張しやすい性格だ」と思い込んでいる人も多いが、度を超える場合は病気の可能性も。人前で注目を浴びる状況で強い不安や恐怖、緊張を感じ、失敗して恥をかくことを過度に恐れることを社交不安障害(対人恐怖症)と呼ぶ。

 代表的なものにスピーチ恐怖症、赤面恐怖症などがあるが、中でも「視線」に恐怖を感じる不安症が視線恐怖症だ。

 トラウマ、PTSD、愛着障害などを専門とするカウンセリングセンター「ブリーフセラピー・カウンセリング・センター」のみきいちたろう氏は、視線恐怖症の主な種類として、「他人の視線が怖い(他者視線恐怖)、目を合わせられない(正視恐怖)、自分の視線が相手に不快感を与えたんじゃないかと考えてしまう(自己視線恐怖)といったものがあります」と話す。

トラウマ、PTSD、愛着障害などを専門とするカウンセリングセンター「ブリーフセラピー・カウンセリング・センター」のみきいちたろう氏
トラウマ、PTSD、愛着障害などを専門とするカウンセリングセンター「ブリーフセラピー・カウンセリング・センター」のみきいちたろう氏

 ほかには、視界に入る人やものを強く意識してしまったり、反対に他人の視界に入らないように避けようとしたりする「脇見恐怖症」もあるという。

「ただし、これらの症状は強迫性障害からくる場合もあります。視線恐怖は、その他の不安症の症状として現れることもあるのです」

 さらに、視線恐怖症が悪化すると、学校や会社に行けなくなるなど生活に支障をきたし、社会との関わりが失われてしまう可能性もある。QOL(生活の質)を下げる原因にもなる、恐ろしい症状でもあるのだ。

■主な原因は「環境要因」「自我の適応不全」「体質・気質」など

 視線恐怖症に陥った場合、身体的には汗をかいたり、動悸が激しくなったりする症状が現れる。この時、脳内ではどのような現象が起きているのだろうか。みき氏は言う。

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視線恐怖症の主な要因は、三つ考えられる