高校生の頃はダンスミュージックが好きで、屋外のパーティーなどにもよく行っていました。そういうところにはテントがあって、ステージがあって、見たこともないような飾りつけがしてあって……要するに、非日常的な空間になっているんです。それがとてつもなくおもしろくて「よし、オレもやってみよう」と、自分の部屋をあれこれいじりはじめました。
当時はタワーレコードへ行くと、いろいろなアーティストのポスターやカレンダーを無料で配っていたんです。それを大量にもらってきて、切り抜いてコラージュをつくり、壁に貼ったりしていました。ブラックライトを購入し、クラブ感を演出したこともありました。
思春期ですから、当然「女の子を呼べる部屋作り」も大きな研究テーマのひとつでしたね。おしゃれな友だちの部屋を見て「こいつセンスいいな!」とか「オレのほうがカッコイイじゃん」とか、男の子どうしで張り合うのも楽しい経験でした。
今にして思えば、自分がよいと思うものを手にいれて組み合わせ、趣向を凝らしてお客さんを呼ぶという、茶会と似たことをやっていたんですね。自分の好きなものを提示して、見た人が「おもしろいね」と共感してくれたら最高にうれしい。茶人として年齢を重ねて知識が増えても、根本にある喜び・楽しさは、あの頃のまま生きているなと感じています。
(構成 生活・文化編集部 端 香里/写真 松永直子)
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