「気になったので、家でインターネットで調べてみると、無料の会員登録をする仕組みになっていたので何げなく登録しました。そしたら、すぐに担当の方から電話をもらったんです」
修平さんが利用したのは、U・Iターン応援プロジェクトという北九州市が手がけるサービスで、北九州市が委託する専任のコンサルタントが北九州市内の企業とU・Iターン就職を希望する登録者をつなぐ独自の取り組みだ。
このプロジェクトによる2017年度のU・Iターン者数は231人で過去最高の人数を記録した。石坂さんの元にかかってきた電話のように、登録者をサポートする専任のコンサルタントが付くのが特徴だ。
2月に登録した時点では、具体的に転職も引っ越しも考えていなかった二人だったが、帰省のタイミングで北九州市小倉北区にある北九州U・Iターン応援オフィスを訪問し、4月にU・Iターン就職の合同説明会があることを知った。
「正直に言うと何度も帰省するのはスケジュール的に厳しかったんですが、タイミングよく話が進んでいたし行動しないと始まらないと思って思いきって参加することにしたんです」
合同説明会では3社ほど話を聞ければと考えていたという修平さんだが、実際には第1希望だった最初の企業の話だけ聞いて帰ってきたという。
「話を聞いたところとても良い会社で、ここしかないと思いました。その場で電話して面接まで受けることができたのでほかの企業の話は聞いていません(笑)」
その後すぐにその会社の採用が決まり、7月に前職を辞め8月から新しい仕事とふるさと北九州での生活が始まった。2月に何げなくUターン活動を始めてたったの5カ月。市の担当者も驚く順調さだ。さらに、子育て世代の転居に対する市の家賃補助制度「住むなら北九州 定住・移住推進事業」を利用したため、転居費用を節約できたこともスピーディーな行動の後押しとなった。
修平さんの現在の仕事はビルや公園の管理・メンテナンス業で、勝山公園や北九州メディアドームなどの清掃や管理を手がける北九州の地元企業だ。転勤もなく、なにより「夜勤がないことが本当に嬉しい」と夫婦で声を揃える。さらに、