「自民党を上下関係なく議論できる組織にしなければならないとも話していましたが、実際は対話も人権も認めない、ということではないでしょうか。この話は桜田大臣が若いころですが、人間の素地が大きく変わるとは思えない。あの人が大臣かといった印象です」
新内閣の評判が振るわない。報道各社の世論調査を見ても、「ご祝儀相場」はなく、内閣改造を「評価しない」が「評価する」を軒並み上回っている。
他方、野党議員のベテラン秘書は、歓迎の声をあげる。
「総裁選の論功行賞による『在庫一掃内閣』などと言われているように、短気で失言リスクが高く質の悪い在庫も多く紛れ込んでいるのでは。能力ではなく、当選回数が多い待望組から選ばれただけだ。臨時国会が始まれば、すぐにボロが出るだろう」
国民民主党の原口一博・国会対策委員長は語気を荒らげた。
「責任をとらずに閣内に居座り続ける人に加え、失言レベルではなく、過去にたくさんの人を言葉で傷つけたような人も入ってきた。国会の場で大臣としての資質を問うていく必要はある」
となれば、「失言リスク内閣」とも呼べそうだ。冒頭の桜田氏は13年、放射性物質に汚染されたごみ焼却灰について「原発事故で人の住めなくなった福島に置けばいい」と発言。灰の置き場に困る福島県の関係者や避難者から反発を受けたこともある。(編集部・澤田晃宏)
※AERA 2018年10月22日号より抜粋