放送中の朝ドラ(連続テレビ小説)「らんまん」は、大好きな植物にその情熱を注いだ主人公・槙野万太郎の冒険を描くオリジナルストーリー。万太郎のモデルとなっているのが、「日本の植物学の父」と呼ばれる明治の植物学者・牧野富太郎だ。晩年は自宅の庭で長い時間を過ごし、移植した植物を観察していたという。緑があざやかさを増す季節、朝ドラを見ながら庭づくりを始めてみるのはどうだろう。
【After写真】すごい植栽マジック! ドア前までのステップ空間が緑で印象的に変化
そんなとき、バイブルになるのが『暮らしに寄りそう庭づくり 新しい植物図鑑』だ。人気ガーデナーで、東京・自由が丘に庭のプランニングとアンティーク家具・雑貨を扱うBROCANTE(ブロカント)を構える松田行弘さんが、最新の植物リスト200件と共に、さまざまなタイプの庭づくりの実例を教えてくれている。
ここではこの本から、庭はもちろん、庭とは言えないほどのスペースでも、植栽次第でこんなに変わるという実例の「Before/After」を紹介したい。
例えば、上の写真のような高低差を利用した立体的なアプローチ。この邸宅の場合、北向きの玄関から道路まで、80センチメートルほどの高低差がある。広めのステップをコンクリートでつくり、両脇を植物で埋めた。植栽帯は土が流れないようにハードウッドで土留めを施している。
ここに植えたのは、こんな植物たちだ。
・ タマモクマオウ
・ カレックス キウイ
・ ラベンダー グロッソ
・ ウエストリンギア
・ ライラック
・ ユーホルビア ウルフェニー
数年を経た完成形がこちら(下)。
黒いガルバリウム張りのクールな印象の外観に、灰緑色のユーホルビアやウエストリンギアの葉が印象的。北側でも朝日が当たるスペースは、暑さに弱い植物には適しており、ライラックも向いている。低木類はアプローチに大きく飛び出さないような、あまり暴れず、こんもりと生長するタイプを選んでいる。