3人目は、ここまで勝点19(6勝1分1敗)で首位に立つチームの中盤を支えている齊藤未月(神戸)を推薦する。世代別代表に選ばれ続けてきた24歳のボランチ。G大阪でプレーした昨季もリーグ戦26試合に出場して持ち味を発揮していたが、監督交代と戦力補強のあおりを受ける形で神戸に移籍。新天地でもイニエスタ、サンペール、山口蛍らと激しいポジション争いが予想されていたが、蓋を開けてみればここまでリーグ戦全8試合にフル出場してダイナモぶりを存分に発揮。抜群の機動力と無尽蔵のスタミナで、特にボールを奪われた直後のネガティブトランジションで“違い”を披露。チーム全体として昨季には欠けていた“強度”が大幅にアップしているが、その中で齊藤の働きが非常に目立っている。

 4人目として取り上げたいのは、太田修介(新潟)だ。J2の町田から初のJ1挑戦となっている27歳のアタッカー。開幕戦こそ欠場したが、第2節の広島戦で豪快な移籍後初ゴールを決めてチームの6年ぶりのJ1勝利に大きく貢献。その後、左右のMFの位置で期待通りにレギュラーに定着すると、ここまで出場7試合で計4得点を挙げる期待以上の働き。トップ下の伊藤涼太郎が強烈なインパクトを残しているが、その傍に構える太田もパワフルな左足キックを武器に攻撃にアクセントをつけ、昇格組ながら開幕8試合で勝点12(3勝3分2敗)と堂々たる戦いぶりを続けているチームの原動力になっている。

 その他、佐野海舟(鹿島)、小林祐希(札幌)、小野瀬康介(湘南)ら新天地で活躍する「新戦力」は多くいるが、彼らが故障離脱したこと(小野瀬は第8節で復帰)を考えると、5人目としてはレオ・セアラ(C大阪)の浮上ぶりを推したい。優勝した横浜FMから新たな挑戦を選んだストライカー。開幕3試合はノーゴールで、第4節、第5節はスタメン落ちとなったが、古巣対戦となった第6節の横浜FM戦で先発復帰して移籍後初ゴールを含む2得点を決める活躍。続く第7節の札幌戦でも2点を奪い、点取り屋としての高い能力を再証明した。横浜FM時代の2021年、22年シーズンともに夏場に得点を量産した“夏男”であり、新天地でも今後の爆発が大いに期待できる。

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苦しむ「新戦力」は誰?