先日、開催されたセクハラやパワハラ問題を考える「AERAトークイベント」に参加した野田聖子総務相兼女性活躍担当相とエッセイストの小島慶子さんが対談。セクハラ問題への思いや解決のヒントなどを語った。
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小島慶子(以下、小島):セクハラ対策の中に、インターネット上の被害者のプライバシー侵害情報が適切に削除されるよう取り組むというのもありますが、これはとても大切です。声を上げるのが難しいのに、上げてもネット上でたたかれる。これは大問題です。
野田聖子(以下、野田):ここは肝のひとつだと思います。人権侵害なのですから、二次被害を起こしてはいけない。それをどう実行できるか。インターネット上の取り扱いは大変です。私は総務大臣も兼ねているのでしっかりやります。
小島:野田さんは政治家としてのキャリアを積む過程でセクハラの経験もされています。いままではご自身では声にできなかったんでしょうか。
野田:もちろんできなかった。その時の私に「ごめんなさい」のつもりで今回頑張っています。私がセクハラを受けていたのは落選中です。女性は政治をやるべきではないという空気のなかいろいろたたかれましたが、その最たるものがセクハラです。執拗にやられました。親にも友だちにも言えず、唯一自分の支援者で何でも相談できていた男性に言ったら、「そのくらい我慢しろ」と言われました。
小島:絶望ですよね。
野田:最近は忘れていましたが、財務省の件がワッと出た時にフラッシュバックが起きました。調査の方法を聞いた時に、おかしい、それは無理でしょうという思いが起こったので、率直に申し上げました。
小島:とても心強いです。候補者にパンツ見せろとか、ありえないですよ。
野田:あの時は誰にも言えなくて、夜泣くしかなかったですね。私の経験でいうと被害を受けてもなかなか言えないと思う。だから私に言いに来て(笑)。
人間って自分のためにはあまり頑張れない、自分が受けたセクハラのことでは行動しづらいけど、人が苦しんでいることについては助けられると思うんです。だから女性同士でセクハラについて自由に語れるような空気づくりは大事ですね。男性に対しても、同じ社の仲間の男性が、それによってキャリアを挫折するのはとても忍びないこと。むしろ仲間を助ける意味で「それはセクハラだよ」と教えてあげる。敵対するのではなく、「セクハラだよ」ということを言ってあげることも友情。ダイバーシティーを作る上では大事です。