実際、彼が当選した後、最も先進的なシアトル、ロサンゼルス、ニューヨークに至るまで、“It's my country!”という言葉が流行り、傍若無人な行動をする白人がものすごく増えているのに驚きます。私自身の体験で言えば、レジに並んでいる時に後ろにも10人くらいいるのに、白人のおっさんが平気で割り込んでくる。「割り込むなよ」と文句を言っても、「お前な、ここは俺の国だ、It's my country,yellow man like you,get out of here!!」と怒鳴られる。
ここでは、この“It's my country.”というのがキーワードで、有色人種、特に黒人を目の敵にする傾向はトランプ氏が大統領になってからものすごく強くなっています。私自身30年以上アメリカにいるわけですが、これだけの「隠れトランプ支持者」がいたのかと思うと少々恐ろしい。
今回の「怪談」、北朝鮮がどこにあるかも知らないような人たちが彼の熱烈な支持者なわけですから、内容はどうあれ、トランプ氏にしてみれば大成功でしょう。
AERA 2018年6月25日号