正能茉優(しょうのう・まゆ、26)/ハピキラFACTORYY 代表取締役社長、ソニーモバイルコミュニケーションズ 社員。慶應義塾大学総合政策学部在学中の2012年、小布施若者会議を創設、13年ハピキラFACTROY創業。地方創生に「かわいい」からアプローチする(撮影/伊ケ崎忍)
正能茉優(しょうのう・まゆ、26)/ハピキラFACTORYY 代表取締役社長、ソニーモバイルコミュニケーションズ 社員。慶應義塾大学総合政策学部在学中の2012年、小布施若者会議を創設、13年ハピキラFACTROY創業。地方創生に「かわいい」からアプローチする(撮影/伊ケ崎忍)
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高田麻衣子(たかた・まいこ、41)/オクシイ 代表取締役。2014年「オクシイ」を創業。16年にはリモートワークに特化した人材紹介会社「エム・キャリアデザインラボ」を設立(撮影/岸本絢)
高田麻衣子(たかた・まいこ、41)/オクシイ 代表取締役。2014年「オクシイ」を創業。16年にはリモートワークに特化した人材紹介会社「エム・キャリアデザインラボ」を設立(撮影/岸本絢)

 結婚や出産など、女性のキャリア形成の過程には様々なイベントがある。しかしだからこそ、多様的な働き方を見出す女性たちもいる。

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「女子大生の私が『かわいい』と思うものを、おじさんたちはよくわからない。だったら、自分の目線で地方のものをかわいくしてみようと思ったんです」

 自分たちの「目線」が武器になる、と気づいたのは、長野県小布施町にインターンとして行った学生時代のこと。町の特産物「栗鹿の子」を、バレンタイン仕様にかわいくプロデュースした商品「かのこっくり」は、東京・渋谷を中心に1週間で2千個を売り上げた。

 正能茉優さん(26)は、学生時代に立ち上げた「ハピキラFACTORY」の経営者であり、ソニーモバイルコミュニケーションズの社員でもあるという「パラレルキャリア」の実践者だ。自社業務はソニーの業務時間前後や昼休みに行う。

「ハピキラでは、LINEやビデオ通話でできる打ち合わせも多いので、そんなに忙しくないです。やることはたくさんあって、毎日が『夏休みの最終日』のようなテンションですけれど、どれも好きなことなので、負担には感じません」(正能さん)

 正能さんがいまの働き方を選んだのは、「バリバリ働いて成功をつかむため」ではなく、「家族や友達など、人生を構成する要素をバランスよく大切にしたいから」。仕事に割り当てられる時間には限りがあることと、自分の志向をわかっていた。

「紅茶ならロイヤルミルクティーがいいし、ハンバーガーならアボカドをトッピングしたい。人より1.3倍お金がかかる人生だから、人よりも少しだけ稼ぎたい。だから、自分の1時間あたりの価値を最大化しなければ、と思ったんです」(同)

 最近は、慶應義塾大学大学院の特任助教、読書会のモデレーターとさらに仕事の幅は広がり、キャリアの「ビュッフェ」状態。

「好きな仕事を好きなバランスで好きなだけやるから、楽しい」という。スピード感の背景には、彼女の人生観がある。

「女子のキャリアは短期決戦。私も結婚や出産、親の介護も視野に入れないといけないかもしれない。キャリアを中断したとしても、社会に戻ってこられるよう、自分の名前で仕事をできるようになっておきたい」(同)

 人生の目標は決めている。

「好きな人と好きな場所に住んで、好きなことをしながら暮らすこと」。正能さんにとって、キャリアとはその目標のために、社会と自分をつなぐ懸け橋だ。

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