音楽ライターの柴那典さんは、音楽シーンでのBAND-MAIDを、こう位置付ける。

「10年代からアイドルの多様化が始まり、パンクやラウドロックをバックに歌うグループが注目され始めた。彼女たちはライブが主戦場。激しい音楽性は固定ファンが多く、ライブの動員面では手堅い。また、同時期から『嬢メタル』というジャンルが現れ、高い演奏力があってビジュアルも良い女性ヘヴィメタルバンドが増えた。BAND-MAIDはそれらの流れを上手に融合したバンドと言えます」

 意識は確実に海外にも向いている。ネットで視聴できるように、多くの曲で凝ったMVを作ったり、フェイスブックでは英語版を作って発信を続けたりしている。

「日本で『ガールズバンド』って言われているうちは、まだまだです。将来はBAND-MAIDという音楽のいちジャンルを作りたいですね」(小鳩)

(編集部・作田裕史)

AERA 2018年4月30日-5月7日合併号