1票差で当落が決まった2017年の東京・葛飾区議選では、落選した候補が異議申し立てをし、区選管はこれを却下した。
だがその後、都選管に審査申し立てをした結果、当選した候補の2票が無効と認められ、当落が入れ替わった。一転して落選とされた候補は東京高裁に提訴し司法に判断を委ねたが、高裁が都選管の判断を適法と判断し、最高裁も上告を退けたため失職した。
21年の兵庫・尼崎市議選では、同様に1票差で落選した候補が異議申し立てをし、市選管が却下。その後、県選管に審査申し立てをした結果、落選した候補の票の一部が無効とされ、3票差に開くという結果になった。有効票について、市選管と県選管の判断が分かれた形だ。
三井氏は今後の異議申し出の可能性について、「区の職員に労力をかけてしまうことなので、どうなのかなとは思います」と複雑な思いを語るにとどまった。
わずか1票の差で「天国」と「地獄」に分かれてしまった事態に、「1票の重さというものを、改めて感じました」と三井氏。
東京の別の区議選でも、わずかな票差で落選した候補が異議を申し出る意向を示しているが、有権者の投じるその1票がいかに重いかを、改めて思い知らされる選挙となった。
(AERA dot.編集部・國府田英之)