頭上に固定カメラが設置されている。湯気が上がってもカメラが曇らないように左手には送風機が置かれている(撮影/岡田晃奈)
頭上に固定カメラが設置されている。湯気が上がってもカメラが曇らないように左手には送風機が置かれている(撮影/岡田晃奈)
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料理動画9社の特徴は?【1/2】(AERA 2018年4月23日号より)
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料理動画9社の特徴は?【2/2】(AERA 2018年4月23日号より)
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 料理のレシピを動画で紹介する“料理動画”が、SNSを中心に人気だ。もともとは料理の作り方を紹介する動画なのだが、実際には自分では作らない人も少なくないという。そんな料理動画の人気の秘密とは。

【図】料理動画9社を比較!各社の特徴は?

 料理動画の人気の背景には「食」×「動画」という人気コンテンツの掛け合わせに、SNSの相乗効果があると、ITジャーナリストの高橋暁子さんは分析する。

「見るだけで、なんとなく作り方がわかった気がするのが特徴的。出来上がりもキレイで、おいしそうだけど、実際には料理を作らない人は多いです」

 いまや動画コンテンツはネットに溢れている。再生ボタンを押した動画を見続けるかどうかは最初の数秒で決まるため、冒頭にはチーズがとろりと流れたり、肉汁が溢れたりといった訴求力の高い映像が多い。ポイントは、食欲を刺激する「シズル感」だ。さらに最近は、見て楽しむ「エンタメ感」もより求められているという。

「非日常的で、手の込んだレシピは、見る側の関心を引くのではないでしょうか」(高橋さん)

 エンタメ性を大事にする一つが、「C CHANNEL」だ。

 透明な固形物に目を引かれ、「ガラス細工みたい! 透明ポテトチップス」の動画をクリックする。その正体が途中で“じゃがいもの煮汁”だとわかっても、最後まで見てしまう。

「自分では作らないが、つい見入ってしまう動画も多く制作しています」と担当者。「C CHANNEL」の動画アプリには、「いいね!」を意味するハートマークが5千超もついていた。実用性というよりも見て楽しい料理動画のニーズが高いのがわかる。

 だが、1、2分の動画を見るだけで料理を完璧に再現するのは難しい。そこで、「レシピブック」や「DELISH KITCHEN」などは、動画内で材料の分量や手順の表示に工夫を凝らす。「レシピブック」は調理のポイントも画面にテキストで表示し、「DELISH KITCHEN」は、画面から目をそらしても、聞きながら作業ができるようにナレーションを入れている。

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