安倍晋三元首相の甥で、岸信夫元防衛相の息子である岸信千世氏が衆院山口2区補選で、初当選を果たした。父の選挙区を受け継ぎ、大物幹部が続々応援に入るなど高い下駄を履かせてもらったが、得票数は約6万1千票。信夫氏が前回獲得した約11万票から激減した。そんな「政界のサラブレッド」は今後も高い下駄を履き続けるのだろうか?
<大丈夫なのか?>
<新人とはいえアレで31歳。不安しか無くないか?>
23日、衆院山口2区補欠選挙で、信千世氏が当選すると、今後を不安視する投稿がSNSで相次いだ。というのも、信千世氏は父・信夫氏からの世襲であり、政治家としての能力に欠けるのではないかと指摘されてきたからだ。
信千世氏のプロフィールを見ると、1991年生まれの31歳。大学は慶應義塾大に進み、その後、フジテレビに入社。社会部記者として、警視庁、宮内庁、国交省などを担当。2020年に父・信夫氏が防衛大臣に就任し、信千世氏も防衛大臣秘書官に任命されている。22年まで秘書官を務めたが、政治経験は浅いのが実態だ。
もともと世襲であることに批判的な声があがっていたが、信千世氏が公式ホームページに、自身の家系図を大きく掲載したことで批判に拍車をかけた。佐藤栄作や岸信介、安倍晋三といった首相経験者を含む6人の政治家が輩出した家系であることを説明する一方で、肝心な政策については内容が薄かった。これに対してSNSでは<時代遅れの世襲制アピール><議員は家業ではない>などと炎上。その後、家系図は削除されている。
さらに、大規模な政治資金パーティーも開催。麻生太郎自民党副総裁や松野博一官房長官など錚々たる顔ぶれが参加したと言われる。新人の候補者がそのような政治資金パーティーを開くのは、異例中の異例だ。
政治ジャーナリストの角谷浩一さんはこう見る。
「家系図をホームページに掲載したり、政治資金パーティーを開いたりして世襲であることが目立ち、世間の感覚とのズレっぷりが目立ちました。選挙区には(安倍)昭恵夫人や岸田首相など大物が応援に入ったにもかかわらず、6万票しか入らなかったのは、正直少ない。当選したとはいえ、信千世氏の言動に違和感を覚えた有権者が多かったのではないでしょうか」