全国に50万人以上いると言われる「ひきこもり」。「未婚男性」のイメージが 強いが、女性も相当数いる。最新の調査では、既婚女性もいるという。
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「ひきこもり女性」の4分の1が「既婚者」──。
そんな調査結果を2月25日、「ひきこもりUX会議」が発表した。「ひきこもり」といえば「未婚の男性」と考えられていたが、同会議は初めて「女性のひきこもり」に関する調査を行い、冒頭の実態を明らかにした。
内閣府は2010年と15年の2回、ひきこもりの実態を調査している。15年の調査では、仕事や学校に行かず、半年以上、家族以外とほとんど交流せずに自宅にいる15~39歳の人の推計は全国で約54万1千人。男性が63.3%、女性は36.7%と3分の2が男性だった。
一方で、40歳以上の人たちを含めると、その数は100万人を超えるという見方もある。
女性ももっと多いのではないか。内閣府が調査を行った翌16年に、ひきこもりUX会議代表理事の恩田夏絵さん(31)らが「ひきこもりUX女子会」を企画すると、予想以上の反響があった。開催告知はツイッターなどの口コミのみ、東京開催だったにもかかわらず、遠方からの参加者が続出。その後、この女子会は全国各地で39回開催され、のべ1470人が参加した。
調査は、ひきこもりUX女子会に参加した人たちを中心に、ネットや郵送で回答を受けつけた。北海道から沖縄まで300人以上のひきこもり女性から回答を得た。年齢層やひきこもり期間についてはグラフの通り。「既婚女性のひきこもり」という概念はこれまでになかったものだ。恩田さんは言う。
「彼女たちは結婚しているという事実があるため、当事者の間でも社会的に孤立しているわけではないと判断されがちでした。でも、結婚していても生きづらさを感じ、ひきこもり状態にある女性たちがいたのです」
一体、どんな人たちなのか。