毎月決まった掛け金を投資信託などの金融商品に積み立てて、65歳以降に受け取る“自分年金作り”の制度が「iDeCo(個人型確定拠出年金制度)」。従来は自営業者や企業年金のない会社員だけが対象だったが、2017年から、会社員だけでなく公務員や専業主婦の加入も認められ、利用者が増えている。
この制度の管轄は厚生労働省で、積み立てた資金は65歳以降に受け取る方式。2018年に始まった「つみたてNISA」(こちらの管轄は金融庁)と似ているが、つみたてNISAがいつでも換金できるのに対し、iDeCoは積み立て資金の引き出し65歳以降から、と限定されている点が大きな違いだ。
「iDeco」も「つみたてNISA」も、掛け金の利益にかかる税金(約20%)がすべて非課税になる点は同じ。これだけでもありがたいのだが、さらにiDeCoの場合は、月々の掛け金がすべて所得から控除されるという“出血大サービス”付き!
この「掛け金が所得控除される」という点をふまえてiDeCoを上手に利用すると、ノーリスクで所得税や住民税を節税できる裏ワザがあることをご存じだろうか。AERA増刊号『つみたてNISAとiDeCo入門』で掲載した、知ってる人はコッソリやっているその裏ワザを紹介しよう。
まずポイントは、iDeCoはつみたてNISAと違って、投資信託だけでなく定期預金も選べるということ。たとえばiDeCoに定期預金で積み立てると、積み立てた金額がすべて所得から控除される分、所得税と住民税が安くなる。
たとえば年収700万円の会社員が毎月2万3000円をiDeCoの定期預金で積み立てると、節約できる所得税と住民税の合計は8万4000円。安くなった所得税+住民税を「利益」と見立てるなら、その利回りは30%超になるのである。
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投資の運用益が非課税になるうえ、月々の掛け金の分だけノーリスクで所得税や住民税を節税できるのが「iDeCo」の特徴だ。iDeCoはNISAと違い、投信だけでなく定期預金も選べる。