一方で、自身の芸風について「しんどいときもあった」とバラエティー番組で語ったこともある(ABC「やすとものいたって真剣です」22年10月6日放送)。それでも「これしか武器がないから。食わしていかなあかんし」とクズキャラを貫いている理由を明かしていた。さらに、「あちこちオードリー」(テレビ東京系、23年4月19日放送)では、かわいらしい小学生に「お前ヤバいな」と言われることもあるが、「覚悟は決めてる。良いところを出しても金にはならない」と断言。また、ここでも「家族を食わしていかないといけない」と話していた。
最近では、クズキャラの後ろにそうした真面目な姿勢が見えてきたことで、視聴者の評価も変わってきたのかもしれない。
「実際、ナダルさんには子煩悩なところもあります。19年に第1子となる女児が誕生したのですが、21年11月に自身のツイッターで、娘が受験に合格したことを家族写真とともに報告。『練習に付き合ってくれた先輩方!!本当にありがとうございました!!うれしいなぁ ナダル』と喜びをあらわにしていました。また、2月に更新されたコンビの公式YouTubeチャンネルでは、ナダルさんの1週間に密着。朝食のシーンで、娘から『ねぇ、ダディだいじょうぶ?』と話しかけられ、『ダディだいじょうぶよ、別におかしくなってないよ』『ブロッコリー食べますよ』と、優しい口調で会話していました。子煩悩で家族を大切にしますし、そんな一面を持っているところも、視聴者が不快にならない要因かもしれません」(同)
人柄だけでなく、「意外とお笑いに対する分析力がある」と言うのはお笑い番組を手掛ける放送作家だ。
「3月に更新されたYouTubeでは『若者よ、芸人を目指すな!』として、『劇場の年齢層激上がり』『賞レースのレベルが上がりすぎ』など、その理由を挙げていました。SNSが普及して消費が早くなり、一発当ててもすぐに廃れたり、ギャグだけがフィーチャーされて芸人本人は覚えてもらえなかったりする問題点もあると指摘。そんな考察にコメント欄には感心の声が集まっていて、お笑いを語ってもしっかり説得力が出てくるようになりました」