●初の「誰も知らない方」
昨年末から、小室さんの家族をめぐる金銭トラブルがあるとする週刊誌報道が相次いだこととの関連はどうか。宮内庁は否定しているが、影響を指摘する有識者も多い。
静岡福祉大学教授の小田部雄次さんはこう指摘する。
「結納まで日が迫っているのに直前で延期。何か問題があって、それを解決したいのだと考えるのが自然だとは思います」
事前の情報収集が不十分だったのではないかと指摘する声も上がったが、小田部さんによると、女性皇族の結婚に際してはその仕組みがない。
「男性皇族が結婚すると、お相手は皇族になるので、皇族会議が開かれ審議されます。しかし、女性皇族の結婚では、皇族会議は開かれません。つまり、お相手について確認するプロセスがないのです。宮内庁や秋篠宮家が一般人をどれだけ事前に調べるのか、というのも難しい問題でしょう」(小田部さん)
元宮内庁職員で皇室ジャーナリストの山下晋司さんも、こう話す。
「1947年に現行の皇室典範が施行されてから、皇族女子の結婚は7例。旧華族のご子息など、よく知られた方がお相手でした。紀宮殿下がご結婚された黒田慶樹さんは、旧華族のご子息ではありませんが、秋篠宮殿下のご学友で、小さいころから東宮御所に遊びに来られていた方です。多くの宮内庁職員が知っていました。そういう意味で、今回のように誰も知らない方と、というケースは初めてでした」
山下さんも、延期の背景に週刊誌報道の影響があると考えるのが、つじつまが合うと話す。
「皇族の結婚は世間の注目を集めます。一般家庭でも、婚約相手の家に金銭トラブルがあるとわかれば、二の足を踏むでしょう。皇室の場合、家族や親戚だけではなく、国民の厳しい目にさらされます。そうしたことを現実に経験され、今回の発表になったのでしょう。『未熟さゆえ』とおっしゃっているとおり、結婚はお二人の気持ちだけでは成り立たないのだと認識されたのではないでしょうか」
結婚は本人同士の意思によってのみ成立することは論をまたないが、眞子さまの皇籍離脱にあたって国民の税金から1億円以上ともいわれる「一時金」が支払われることもまた、事実。
「一時金の用途に制約はありませんが、『皇族であった者としての品位保持』のために渡されるものです。眞子内親王殿下が一般国民になっても、天皇家と親戚関係にあることは変わりません。経済的な面ではなく、『世間がそのふるまいをどう見るか』ということも重要です」(山下さん)