そして、こう続けた。

「世の中には、誰も気づかないくらい傷ついている人も多いみたいです。家族、恋人、友達、大切な人たちの手を握り、抱きしめ、慰めてあげてください。寒い冬には、そういう愛が必要です」

 すべてを終えてステージを降りる瞬間、ユンホの後ろ姿をカメラがとらえた。後ろを向いたまま、腕をぐるぐると回して叫ぶように言う。

「We are T ! みんなは俺たちのプライドだ!」

 ありがとう。私たちのプライドは東方神起──。そんなファンの心の声が聞こえた気がした。(ライター・酒井美絵子)

AERA 2018年2月5日号