上司や同僚のせいで生じるストレスは、すなわち、お金を稼ぐストレスだ(※写真はイメージです/gettyimages)
上司や同僚のせいで生じるストレスは、すなわち、お金を稼ぐストレスだ(※写真はイメージです/gettyimages)
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 49歳のときに米グーグルのNo.1デザイナーになった韓国出身の女性がいる。彼女の名は、キム・ウンジュさん。韓国で勤めていた会社を27歳で辞めて、渡米。簡単な英語のフレーズすらまともに話せない状態で始まったアメリカ生活だったが、その後はモトローラやクアルコムなどでキャリアを積んだあと、グーグルに入社。25年間で10回の転職経験をした彼女がグローバル企業で身につけたこととは――。著書『悩みの多い30歳へ。世界最高の人材たちと働きながら学んだ自分らしく成功する思考法』(CCCメディアハウス)から、ここでは「人間関係からストレスを守る方法」を紹介する。

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 職場のストレスの80%は、人間関係によるものではないかと思う。職場にかぎらず、ストレスのほとんどが人との関係から生まれる。人間が社会的動物である以上、避けられないことだ。人間関係について書こうと決めたものの、何度も迷った。人それぞれ置かれた状況があまりにも違うし、私はそれほど処世術に長けているわけでもなく、妙案があるわけではないから。でも、“ストレスマネジメントの方法”についてはぜひお伝えしたいことがある。

 会社員の退職理由調査では、常に「上司や同僚との衝突」が上位圏に入っている。私も25年間、かなりたくさんのおかしな人々に出会った。さまざまな会社で働いた結果、「どこに行っても変な人はいる」というのが私の結論だ。私も他の誰かにとっては変な人かもしれない。

 月給は「技術と専門性に基づいて職務を遂行する能力」に対して支払われていると誤解されがちだが、そうではない。「成果に対する報酬」だ。成果を出すには、自分だけがうまくやればいいというものではなく、周囲の人々と協力して働く必要がある。つまり、月給は「他人と一緒に働くときに消耗するエネルギーや時間、感情労働の対価」というわけだ。そのうち、50%以上を占めているのは“感情労働の対価”ではないだろうか。上司や同僚のせいで生じるストレスは、すなわち、お金を稼ぐストレスなのである。お金を稼ぐというのは本来、大変なことだ。

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