■若い社員に「気を回して」と言うと具体的な指示を求められました。
気遣いの常識は時代によって変わります。具体的な指示をしましょう。まず、「気を回して」という言い方は今の時代としては、雑過ぎますね。
あいまいだし属人的です。気遣いの常識は時代によって変わります。一昔前なら、上司が見て「よくできている」と思うような資料を作る、上司のタイミングを見て声をかけるなどで気が利くと評価されました。
今は組織によっては、資料は雑でもいいから早くほしいと言われるし、チャットのコミュニケーションも求められますしね。
では、どういうふうに指示すればよいでしょうか。どこにどういう問題が起きているかを説明し、なくしていくやり方を見つけていくことです。
それこそ、業務プロセスを分解し、指導する側、受け取る側、その先の人たちにどういう影響を及ぼしているのか、改善によりどういうメリットが得られるのか、質問を投げかけながらていねいにコミュニケーションをとる必要があるのではないかと思います。
■辞める人が社内に多く、人的ネットワークやノウハウが蓄積されていきません。
「この人に聞けばわかる」逸材が社内にいるのは便利ですが、リスキーでもあるんです。その方がいなくなると、仕事が進まなくなりますよね。
そもそも、ノウハウを蓄積するのに人を媒介する必要はありません。例えば案件ごとにビジネスチャットのチャンネルを作り、情報を入れ込んだり議事を残したりしていきます。
必ずログ、つまり電子の足跡が残りますから、メンバーが入れ替わっても、検索して過去のログを読めば状況がわかります。業務のやり方を変えれば、組織の風土も変わっていきます。あなたが率先して、デジタル化を進めてみましょう。
まずはTeamsやSlackなど、ビジネスチャットのツールを提案してみてください。あるいは、他の部署・企業がどのように課題解決しているか、調べるのもおすすめです。
(構成 生活・文化編集部 上原千穂)