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上司と部下は年齢やキャリア、価値観などの違いによりコミュニケーションですれ違いを感じる人は多い。一昔前の指示の仕方では部下に理解されない。では、どう接すればうまくいくのか? ワークスタイルや組織開発を専門とする実業家・沢渡あまねさん監修の『テレワークも業務改善もさっぱりわからない私に新しい働き方を教えてください!』(朝日新聞出版)から、部下への接し方の対処策を紹介する。

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■正当に評価しているつもりなのに、部下は評価が低いと悩んでいるようです。

上司と部下、それぞれ相手に期待する役割が食い違っているようです。対話を重ねて、互いが目的とする姿の解像度を上げていくとよいですね。

部下のサポートをするのが上司の仕事です。ていねいに仕事の目的やレベル感をすり合わせてください。報告や相談のタイミングも最初に決めておくといいですよ。

評価されていないと感じさせているのはなぜでしょうか。もしかして、タイミングが悪いのかもしれません。

例えば年度末に突然「あなたの評価はこうでした」と伝えても、相手からすれば「最初から言ってよ」と感じます。それはモチベーションが下がる原因にもなります。

期初・期中、あるいは1on1ミーティングのようなものを使いながら、「あなたの役割はこう。それに対してこういうところが足りていない」とアドバイスしてあげてください。

■言い訳が多く、人のせいにする部下にどう指導したらよいですか?

(1)じっくり対話する、(2)ファシリテータとして接してみるの2つがあります。

他責傾向が強い人には、正面から向かい合って対話する必要がありますね。「自分がどうやればいいか、考えて取り組むようにしてください」と。

(2)のファシリテータとして接してみるは、司会役のように相手から意見を引き出し、話し合いを前に進めます。相手の言い分をホワイトボードに書いて視覚化してみてはいかがでしょう。例えば「あなたが言っているのは環境の要因だね。仕事の進め方として、改善できる方法はないだろうか」と、問いかけながら。

そうすると、自分の思考の偏りにも気づくし、やり方の問題点も考えるようになります。

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「気を回して」ではなく具体的に指示を