朝日新聞朝刊にて連載中の4コマ漫画「ののちゃん」。この年末、ののちゃんが暮らす山田家で相続をテーマに家族会議が開かれた。母まつ子(40)には気になっていることがあるという。
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まつ子は、数日前にテレビで見た報道番組を思い出した。価値のない山林が放置されたり、実家が空き家になったりして問題になっているという内容だった。価値の低い山林や、誰も住まなくなることが予想される家が遺産に含まれる場合、その相続を放棄すると、それ以外の価値の高い財産も同時に放棄しないといけない。相続財産の一部だけを放棄することはできないという話だった。
こうした山林や空き家の所有者に、財産を相続する相手(相続人)が一人もいなければ、最終的には国庫に入る。ただ、相続人がいるなら、それは相続した上で、不要であれば売るしかない。自治体に買い取ってほしいと要請はできるが、利用価値がないと買ってくれないし、もちろん寄付として誰かに押しつけることもできない。