漠然とした不安が消える
毎日1時間を英語の勉強に投資したことで、英語に対する漠然とした不安、「何もしていない」という自責の念、そのせいで募る「私にはできない」というネガティブな考えが消えた。そして、英語以上に私を苦しめていた自虐的思考が格段に減り、自分を誇らしく思う気持ちやポジティブな意欲も湧いてきた。運動をすると体調がよくなるだけでなく、満足感や達成感が自信につながって、心まで元気になるという効果に似ている気がする。
英語恐怖症を克服
前述のように、英語は中学時代に早くも諦めていたので、苦手意識が強かった。大学1年生のとき、必修科目だった英語の授業で順繰りに朗読をしたことがあるが、本当に恥ずかしくてつらかった。そのせいか人前で英語を読み上げることには抵抗があったが、オンライン・ブッククラブのメンバーは個人的に親しい間柄でもないし、似たような悩みを抱える人々ばかりなので、「間違えても大丈夫」というリラックスした気持ちで朗読ができる。
語彙力や表現力がアップ
恥ずかしながら、私は仕事や子どもたちの学校生活に関連する英語以外はほぼ使わずに暮らしていた。そのせいで、使える表現や英単語が限られていたが、ブッククラブで多様なジャンルの本に触れたおかげで語彙力と表現力の幅が広がった。言語はやはり背景となる文化や歴史を併せて学ぶことによって、いっそう理解が深まる。驚いたのは、新しく覚えた単語や表現が実生活の中で目と耳に入ってくるようになってきたこと。仕事に必要な英語は、少なくともある程度マスターできていると思っていたが、多くのことを見落としてきたのだなと改めて感じている。
英語筋のトレーニング
英語を話そうとしても「舌が回らない」と悩む人は多い。朗読を始めたことによって、英単語を覚えても会話のときに使えるとはかぎらないということに気づいた。レシピを知っているからといって料理が作れるわけではないのと同じだ。
例を挙げると、読んでいる本にcitrus(シトラス)という単語が出てきたとき、確実に知っている単語なのに、一瞬頭が真っ白になってうまく発音できなかった。
また、explicit(明らかな)、implicit(暗示された)、exacerbate(悪化させる)などの発音には、韓国語を話すときはあまり使わない顔や口、舌の筋肉を使う。そのため、意味を知っている単語なのに日常会話では使わないようにしていた。どうしても必要なときは適当な発音でごまかしていたが、決まって「Excuse me?(なんて?)」と聞き返された。
ブッククラブは、無理なく朗読の練習ができるところがいい。うまく発音できなかった単語は、より正確な発音ができるように後から復習する。そのおかげで、発音の難しい英単語を使う状況がやってきても、以前より自信が持てるようになった。