全国の大学が「2018年問題」に戦々恐々としている。18歳人口はこの年を境に減り続けるとされ、文部科学省が「大学効率化」の方針を示したことで、すでに「定員割れ」している私立大学を中心に「閉校」の文字もちらつく。そこで本誌は、全国の私立大学のサバイバル能力の数値化を試みた。
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指標としたのは、「収容定員充足率の過去3年平均」「科研費の伸び率」「自己資金比率」だ。
「収容定員充足率」は学部全学年の合計定員に対する在学学生数の割合で、100%未満が「定員割れ」。収容定員充足率の過去3年の平均をとることで、「大学の安定的な学生を集める力」を見ることができる。「科研費の伸び率」では、大学や研究機関の研究に必要な資金を国が助成する「科学研究費」が16年度から17年度にかけてどれくらい増えたかを示した。これは大学の学術研究の質を測るバロメーターにもなる。「自己資金比率」は、大学経営の健全性を示すもの。16年3月末時点の大学の総資産に占める純資産の割合を示した。90%以上なら健全性が高く、75%を下回ると相対的に負債が多いと見ることができる。
収容定員充足率の低い順に50大学を並べると、圧倒的に地方。50大学のうち在京の大学は2校だけで、収容定員が千人以下の小規模大学が多く含まれた。2年連続で科研費がゼロという大学も散見される。ただ、収容定員充足率は低くても自己資金比率は高い水準を維持している大学も少なくない。その理由を駿台教育研究所進学情報事業部部長の石原賢一さんはこう話す。
「定員を減らすには煩雑な手続きが必要なので、定員割れでも経営を続ける体力がある大学は是正しないケースもある。系列の高校、中学で利益を上げている学校法人もあるので、定員割れイコール経営が危ないということではありません」
とはいえ、収容定員充足率の「高低」を分けたものは何なのか。