B:正直、医師会の姿勢に問題があると思いますよ……。緩和ケアを中心に行っている訪問診療専門クリニックを「ロクな治療もしないくせに」と“下”に見ている医師もいます。そもそも在宅診療の経験がある医師も少ない。訪問看護もそう。地域医療に貢献してますよっていうアピールのために訪問看護ステーションをつくって、使えない看護師をそっちに入れるという病院は少なくない。

D:医療と介護の断絶もありますよ。

B:うちは居宅介護支援事業所からの患者さんの紹介が8割を占めるので、その話はケアマネジャーさんからよく聞かされます。政府が推進する「地域包括ケア」のためにも、医師や看護師とケアマネの連携は不可欠なのに、医師は介護出身のケアマネを「医療知識もないくせに」と蔑んでいます。在宅医療を推進してくれている政治家の方も、この問題の深刻さを理解できていません。例えば、訪問看護のコストは1時間9千円で、介護は4500円と倍の開きがありますが、看護師は介護の領域の仕事もできてしまいます。だから、しばしば介護福祉士の仕事を奪い取ってしまって、医療保険負担が膨らんでいるんです。

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