都内の私立大学2年生の男子学生(19)は「ニッポン、マジで大丈夫かって感じっす」と話す。政治で一番注目しているのは北朝鮮との外交。ミサイル発射の映像は見るたびに恐怖だ。
「それなのに、安倍サンは『対話ではなく圧力』とか言う。おい、しゃしゃって(いきがって)る場合かよって。日本に圧力かける戦力とかないのに。徴兵制が現実になればオレらが戦争行くんですよ。マジでたまらない」
都内在住で1浪中の竹内莞太(かんた)さん(18)も「戦争だけはしないでほしい」と願う。大和など昔の戦艦が大好きだ。一方で、
「戦艦にこんな武器があるとか威力を知ってしまうと、本当に戦争は怖いと感じる」
2人に共通するのは「好戦的ではない人に政権を任せたい」という思い。そして、「でも、誰に投票したらいいのかわかりません」という迷いだ。
昨年6月、選挙権年齢が「18歳以上」に引き下げられ、政権選択を迫られる初の衆院選を前に、若者たちは戸惑っている。
埼玉県の私立大学1年生の男子学生(18)は投票に行くかを決めかねている。
「消費税とか憲法とか、争点っていうんですか? そこがハッキリしない」
消費税は上がっても「たった2%じゃん」と思う。原発は「場所が遠くて実感がない」。憲法のことも「自分、理系なんで」。誰かと話したいが、政治の話をしたのは高校で模擬投票をした授業の時だけ。最近、サークルの先輩たちが「今は経済が安定していて就職できる。このままでいいんじゃね」と話すのを聞いた。投票率が低ければ現政権続行の確率が高まるらしい。
だから投票しないかも。
「正直面倒くさい。勉強にサークル、バイトで忙しい」
神奈川県の公立大学2年生の男子学生(19)は、同じゼミの大学院生が「大学入学時は就職難だったのに、今年の就活は楽だった」と話すのを聞いた。両親からは「東京五輪後は不況になるから、絶対留年するな」とクギを刺されている。高校3年生の弟は授業で「君たちの学年は就職難になる」と言われ、ビビりまくっている。