ブラジルの洞窟にすむトリカヘチャタテの雄雌逆転した交尾の様子(写真:北海道大学・吉澤和徳准教授提供)
ブラジルの洞窟にすむトリカヘチャタテの雄雌逆転した交尾の様子(写真:北海道大学・吉澤和徳准教授提供)
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 笑いが売り、は吉本や朝ドラだけじゃない。相手は世界。ニッポンが無類の強さを誇るのは“笑える研究”イグ・ノーベルだ。

 残念ながら、日本人の3年連続受賞がかなわなかった「ノーベル医学生理学賞」(2日発表)。でも大丈夫。こっちは今年も、日本人の連続受賞記録が、絶賛更新されている。それも11年連続。「イグ・ノーベル賞」だ。

 この賞は、1991年にアメリカの科学雑誌が創設。「人を笑わせ」たり「考えさせ」たり、「科学、医学、技術に対する人々の興味を喚起する」といったユニークな研究に対して贈られる。「不名誉な」「恥ずかしい」などの意味がある英語の形容詞「イグノーブル」と、「イグ(反対を意味する接頭語)+ノーベル賞」を引っかけた、ダジャレのネーミングでも知られる。

●10兆ジンバブエが賞金

 毎年、本家ノーベル賞が発表される直前に「生物学賞」「医学賞」「物理学賞」など、だいたい10賞が選ばれ、ハーバード大学のサンダース・シアターで授賞式がおこなわれる。

 賞金は、今年増額されて約1億2500万円となった本家ノーベル賞に対して、イグ・ノーベル賞は「10兆ジンバブエドル」紙幣1枚。数字だけは威勢がいいが、ジンバブエドルは超がつくハイパーインフレの末、2015年に廃止されている。ちなみにレア紙幣としての価値を期待してメルカリをのぞいてみたけど、「10兆ジンバブエドル」紙幣1枚の価格は、500円から1千円程度だった。

 日本科学未来館の科学コミュニケーター・山本朋範さんが解説してくれた。

「ファンドがあるわけではないので、寄付や授賞式のチケット代などで運営費をまかなっている。賞金も基本ゼロで、受賞者が授賞式に出席するための飛行機代などの費用も、全部自腹です」

 そんな、手作り感と笑いあふれるイグ・ノーベル賞だが、オールおちゃらけで終わっていないところが、これまたミソだ。科学的な研究が受賞することもあれば、皮肉や風刺から、賞を贈ることもあるという特徴が。

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