もちろん共和党重鎮は激怒、特に以前から確執のあったマコネルとの関係悪化は決定的とまで言われており、これでますます議会運営が難しくなったと言えましょう。
これから減税や、移民救済制度(DACA)の代替案など難しい法案を決めねばならない時に、よりによって共和党の本丸とも言える債務上限問題で民主党案を丸のみにしたわけですから、共和党議員はもう「怒髪天を衝く」です。3カ月の期限で一時的な引き上げをしているため、この法案は12月15日には期限が切れてしまいます。年末が迫る時点で再びこの問題を扱わねばならないという状況は危険すぎます。
相次ぐハリケーンの来襲でトランプ大統領が焦ったのかもしれませんが、一説によれば、共和党は来年の中間選挙をにらんで18カ月の上限引き上げ延長を考えていたようです。来年11月の中間選挙後に期限が来るので債務上限問題を選挙の争点から外すことができるからです。こちらのほうがはるかに「上策」だったと言えます。トランプは「共和党をぶっ壊す!」かもしれません。
※AERA 2017年9月25日号