「どうしてそこまで怒るの?」「そこまで言わなくてもいいのに」――。このところ、イライラする人や罵詈雑言をはく人を目にする機会が多いとは思いませんか? あそこにもここにもいる「感情決壊」する人々。なぜ私たちはかくも怒りに振りまわれるようになったのか。それにはちゃんと理由がありました。アエラ9月11日号では「炎上人(えんじょうびと)の感情決壊」を大特集。怒りの謎に迫ります。
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もちろん、多くの人は、文字上のコミュニケーションがこじれやすいと、経験で知っている。本誌が行ったアンケートでも、友人間や職場でのオンライン上のコミュニケーションがこじれそうと感じた場合、多くの人が対面や電話などにコミュニケーション手段を切り替えていた。
「夫婦の懸案事項は家事と育児」だという男性(38)は、日常的に妻とLINEでやりとりしているが、重要な案件を話したい時は時間設定だけにとどめ、対面で話す。「そのほうがお互いにストレスがたまらない」
若い世代はさらに冷静だ。会社員女性(27)が参加するグループLINEは、同僚、大学時代の友人、家族など40くらい。
「LINEはやりとりが人任せになりがちなので、幹事は大体同じ人になる。返答がないと、ストレスもたまります。私は具体的に期限や選択肢を示して、不満を持ちそうな子には名指しで聞いて、落としどころをつくります」(女性)
SNS上でもリアルでも付き合いがある友人たちは、双方の言動からお互いの人となりを見極めていると感じる。旅行を「身内の不幸」でドタキャンし、同日にSNSにネイルサロンに行った写真をあげた子がいた。
「その子は『そういう子』として認知され、食事や旅行に参加を表明してもカウントしません。本当に来たら、追加の手配をすればいいだけです」(同)
重宝しているのがスタンプだ。グループ内の雰囲気づくりにも、自分の意見を伝える際にも、かわいらしく、背景に笑いを添えて機能してくれる。