9月4日発売のアエラ9月11日増大号の表紙に、是枝裕和監督作品「三度目の殺人」に主演した福山雅治さんが登場。自身のこれからと、日々、パフォーマンスを落とさないための「儀式」について話しました。
「自分がおもしろいと思えないと、その仕事の達成感は得られない」
映画も音楽も、できあがったら自分でちゃんと見る。自身が楽しめないと、合格点は出せないという。
「もちろん、それに数字と結果が伴うのがベストです」
是枝裕和監督による主演作「三度目の殺人」でヴェネチア国際映画祭へ。そして9月中旬には、この映画のみならず、日本では来年公開予定の主演映画、ジョン・ウー監督の「追捕 MANHUNT」も、トロント国際映画祭で上映されるという。
今夏の福山雅治は「俳優」モードと思いきや、ドラマ「黒革の手帖」の主題歌「聖域」もリリース間近だ。
「たまたまです。オファーがあるときもあれば、ないときもありますから」
と本人は涼しげだが、それにしても多忙が過ぎるのでは。
「もうすぐ50歳ですからね。還暦まであと11年半くらい。11年って、1年に1本ずつ映画をやっても11本とかでしょ。ツアーは2年に1回だと思うと、あと5、6本になってしまう。身体が元気に動くうちにたくさん仕事をしておきたいなと思うんです」
そんなこと、思うんですね。
「思いますよ(笑)。ずっと思ってます。誰もが生まれたその日から、死という締め切りに向かって生きていくわけで。考えようによっては人生は逆算です。僕は自分がやりたいことはやっておきたい。望むものをすべてやったとしても、それがすべてじゃないことはわかっています」
「酒好き」としても知られるが、実はそれも、一日ごとに自分自身の電源を落として再起動し、パフォーマンスを落とさないための「儀式」なのだという。
「今日はもう仕事しない、もう考えない、と自分の中で一つ一つ店じまいしていかないと。中途半端にいろんな店が開いた状態で一日が終わると思考の整理もつかなくなるし、いいアイデアを思いついても、山積した考えごとに埋もれてしまう」
深酒はしない。「今日も一日を十分に楽しんだ」と納得して眠りに就く。この偉大なルーティンから、毎日、フル充電の「福山雅治」が生まれている。(編集部・片桐圭子)
※AERA 2017年9月11日