小島慶子(こじま・けいこ)/タレント、エッセイスト。1972年生まれ。家族のいるオーストラリアと日本との往復の日々。近著に小説『ホライズン』(文藝春秋)。最新刊は『るるらいらい 日豪往復出稼ぎ日記』(講談社)。
小島慶子(こじま・けいこ)/タレント、エッセイスト。1972年生まれ。家族のいるオーストラリアと日本との往復の日々。近著に小説『ホライズン』(文藝春秋)。最新刊は『るるらいらい 日豪往復出稼ぎ日記』(講談社)。
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 タレントでエッセイストの小島慶子さんが「AERA」で連載する「幸複のススメ!」をお届けします。多くの原稿を抱え、夫と息子たちが住むオーストラリアと、仕事のある日本とを往復する小島さん。日々の暮らしの中から生まれる思いを綴ります。

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 先日、昼間のワイドショーに出演しました。斉藤由貴さんの話題で2時間。昨年のお正月に始まった不倫スクープから1年半以上、次々と違うカップルが登場して話題が尽きません。今日も猛暑の中、不倫狩り部隊が街のあちこちに潜伏していることでしょう。

 番組でも言ったのですが、私は他人の恋愛に興味がありません。二人が一線を越えているかどうかなんて知るかいなと思いつつ、気になったのは「恋人つなぎ」です。

 あんなに大騒ぎされるってことは、指の股の水かきの部分は性的ゾーンと見なされてるんですね。そっとつまんでみると、確かにちょっと敏感です。知らなかったよ! ここってそういう場所だったんだ。これからは迂闊に指の股を人様に見せないようにしよう。手を振る時もロイヤルな感じに指をそろえなきゃな! じゃんけんは、グーしか出さないことにする。

 そこで、他にも見落としているセクシーゾーンがないか、あちこちなでてみました。すると、腕の内側、手首の内側、膝の裏、足首の前側、喉元など、人体の「谷折り」ゾーンは、「山折り」ゾーンの皮膚よりも敏感であることに気づきました。

 例外としては、腰を曲げる時に縮む腹側よりは、伸びる背側のほうが若干セクシー度合いが強い気がします。多分、腰椎とか大事な場所があるからではないでしょうか。あるいは個人的なツボなのか。だとしたらこんなところに書かなくてもいいですね。斉藤さんのおかげで、己の身体を再発見致しました。

 そして恋人つなぎの前段として斉藤さんが涙が止まらないほど感動した映画が何だったのかも気になります。お子さんのいる人には響く作品だ、と一緒に映画を見た男性もコメントしているのです。おっと、それは私もぜひ見たい。しかしなぜか肝心の作品名は、番組では一切明かされなかったのでした。そこだよ! 知りたいのはそっちだよ!

AERA 2017年8月28日号