僕は大学3年時に特別指定という制度でJリーグに参加し、翌年、プロになる決断をしました。ただ、新たな環境に加え、当時のチームは、セルビア出身の監督から、イタリア人の監督に代わり、不安がないわけではありませんでした。どのようなプレーが求められ、それに応えられるのか、自分のプレーを理解してもらえるのか……と。そう考え始めると、少々弱気になったこともありました。
けれども、新監督のもとでは、選手の実績や経歴、「名前」も一旦リセットされるはずです。それを好機だと考えました。
何より、自分自身が「うまくなりたい、成長したい」という気持ちがまさり、真摯にサッカーに取り組み、誰よりも努力しようと決めました。
その姿勢は今も変わっていませんが、初心に立ち戻り、より一層ひたむきに、がむしゃらさを発揮し、自分をアピールしていこうと思います。
奇しくも、先頃、ワールドカップ・プレ大会の「コンフェデレーションズカップ」で、若手主体で臨んだドイツ代表が優勝しました。さらに「U-21欧州選手権」でもタイトルを獲得し、今、ブンデスリーガの「勢い」というものを感じます。世界一のメンバーが集う舞台で、自分がどれだけ成長でき、結果を残せるのか。それに挑めることが、とても楽しみでもあります。
※AERA 2017年7月17日号