先生からも「キミはあの時、英語の授業をサボったね」「この時の成績は良かった」と言われ、アッという間に高校生に戻ったかのような感覚でした。

 それだけではありません。今は全員が社会人ですが、それぞれが「何者かになる以前」に出会った友人たちでもあります。だからか、忌憚なく、損得もなく、何でも言いあえるのです。

 今の僕に「どうして日本代表に選ばれない? 何をやってるんだ、もっと頑張れ!」と叱咤してくれたり、ドイツのサッカーは合っているのか、海外での暮らしはどうか、結婚は……と、矢継ぎ早に突っ込まれたり。

 僕は僕で、彼らが仕事について話していると「週休2日制?週に2日もオフがあるってどういう感じなの!?」と、少しうらやましく思うこともあったり(笑)。

 ここから10年経てば、また、互いの道や立場、環境も変わっていくはずです。それでも、気のよい仲間に恵まれて高校時代を送れたこと、いつでもそこに戻れるような友情や絆は、それぞれが前に進むためのエネルギーになると思うのです。

AERA 2017年7月10日号

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