そのエネルギーを受け止めるだけでも大変なことなのに、麻央さんは最も親しい人たちへの思いと同時に、最も遠いところにいる人たちにも届く言葉を綴り続けました。
ものを伝える仕事に携わっていても、そのような力を持つ人は滅多にいません。麻央さんはテレビ画面で活躍されましたが、照明を浴びている彼女の内には、その光よりもはるかに強い力で人を照らす言葉が宿っていたのです。
麻央さんが本当は何を思っていたのか、私には到底知りえないことです。ただ、私は何度も彼女の文章に心動かされ、この人の言葉をもっと聞きたいと思いました。もっともっと、あなたの話を聞きたかった。今は心から、ありがとう、あなたを尊敬しますと伝えたいです。多くの人を変えた、大きな愛の人でした。
※AERA 2017年7月10日号