──お子さんの様子は?
麗禾(れいか)は昨日はずっと麻央のそばを離れませんでした。彼女の横で寝ると言って寝ていた。認識はしていると思います。勸玄(かんげん)はわかっていないところもあって。今日の朝も2人が麻央の顔を触ったり、足をさすったり、手を握ったりしていました。麻央は心残りだと思います。心配で心配でしょうがないんじゃないか。5歳と4歳。お母さんという非常に重要な存在を失った。代わりにはなれないけど、できる限りのことをやっていきます。
──子どもたちに、奥さまから学んだどんなことを伝えますか。
多くの人の救いになりたいと、闘病しブログも始めた。同じ病で苦しむ方々と悲しみや喜びを分かち合う妻は、すごい人だなと。総合的に教わったこと、そして今後も教わり続けることは「愛」なんだと思います。
──麻央さんのどういう表情、言葉が思い浮かびますか?
全部ですね。初めて会ったときの彼女から今日の朝まで、全部。全部です。麻耶さんが調子が悪くなったときや、私が舞台で、義母が看病で疲れたとき、彼女自身はもっと重い病にかかっていて大変なのに、自分よりも相手を心配する。言葉とかではなくて、どこまでも自分よりも相手のことを思う気持ち、優しさですね。
──どんな奥さんでしたか?
んー、僕を変えた奥さんじゃないですか。
──麻央さんは、プロポーズの時に「来世も一緒にいよう」という言葉がいちばん響いたと。
そのつもりです。その話もしました。僕が愛想つかされないように頑張らないと。
──いまあらためて麻央さんに言いたいことは?
言わなくても伝わると思う。いつも思ってるよ、ということ。
──麻央さんのブログに支えられた方に一言。
麻央を応援してくれた方、ともに闘っている方。昨日、先に旅立ちましたけど、麻央はきっと皆さんのそばにいると思います。
(構成/編集部・高橋有紀)
※AERA 2017年7月3日号