一躍日本代表のエース候補に台頭したFW久保裕也(23)が、ベルギーでもゴールを量産し話題を呼んでいる。
今年1月にスイスのヤングボーイズからベルギーのゲントに移籍すると、初出場したリーグ戦でいきなり直接FKを沈めるなどレギュラーシーズン終盤の7試合で5ゴールと爆発。チームを上位6チームによる優勝決定プレーオフ出場に導くと、そのプレーオフでも9節終了時(全10節)で6ゴールと高い決定力を見せている。
本稿執筆時点(5月19日)でゲントは2位クラブブルージュと勝ち点1差の3位。最終戦(現地時間21日)は、そのクラブブルージュと直接対決となり、来季の欧州チャンピオンズリーグ出場(上位2位以内)へ望みをつないでいる。
●プレーに派手さはない
ゲントはプレーオフ突入後6試合負けなしだったが、7節でオーステンデに3-4と初黒星を喫すると、8節のシャルルロワ戦でも1-1のドローと足踏み。だが、久保は勝ち点を落とした試合を含むほとんどの試合でゴールを奪うと、9節のズルテ・ワレゲム戦でも1ゴール2アシストと移籍後3度目の3試合連続ゴールでチームを5-2の勝利に導いた。これで今季のゴール数は、ヤングボーイズ在籍時の25試合12得点に加え、ゲント加入後も16試合11得点と計23得点(カップ戦を含む)にまで伸ばしている。
それにしても代表戦を含め、なぜこれほどゴールが増えたのか。久保は涼しい顔でこう話す。
「チャンスを決められているから、それだけじゃないですか。来たチャンスを決められているのが、結果が出ている要因だと思います」
プレーに派手さはないが、シンプルで的確。そして、高いシュート精度は光る。
「まあ、落ち着いて蹴れているので。ゴール前で焦っていないのが(シュートが枠内にいく)一番の理由かなと思います。もちろん、ディフェンダーの足に当てないようにとか、GKのタイミングをずらすことなどは考えていますけど……」