晴れて16年5月に再入社が決定。グループ会社に出向し、労務などを担当することになった。入社初日、緊張しながら自席に座ると内線電話が鳴った。受話器を取ると、人財部時代の先輩から。

「あれぇ、お前何してんの?」

 緊張する自分を気遣ってくれたのだろう。冗談めかしてからかってくれた。心の距離は遠くなっていない。また一緒に働ける、と実感できた。

 給料は前職より少し下がったが、ワークとライフのバランスは取れている。もともと商品や社風には愛着があったが、最初に入社した当時よりも森永乳業が好きになったという。

 人事課の荒木久宜マネージャーによると、同社にはいわゆる生え抜き社員が多く、かつては中途採用もあまりしていなかった。経験を重ねた社員が戻ってくることで多様性が増し、企業としての競争力アップにもつながっているという。

●土産を持って帰りたい

 実際、他社で積んだ経験を新たな武器として持ち帰り、貢献している出戻り社員もいる。

 ポータルサイトなどを運営する「エキサイト」でITエンジニアとして働く藤田毅さん(45)。00年にソフト開発の会社からエキサイトに転職し8年間在籍。14年に再び入社した。

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