●「早めに軌道修正していれば」(関連会社元役員/男性60代)
東芝は確かに官僚的だが、私の年代としては特におかしいと思いません。歴史のある大企業は、どこもそんな感じではないか。
東日本大震災の原発事故が大きかったと思います。反原発ムードになり、世界各地で原発関連のプロジェクトを凍結する動きもあった。しかし、東芝は原発事業を推し進めていった。軌道修正していれば、ここまでの損害を被ることはなかったのでは。(関連会社 元役員/男性 60代)
●「私の店は東芝と共に育った」(JR小作駅前居酒屋「なぎさ」店長/太田祐二さん 63)
青梅工場閉鎖の当日も、20人弱の東芝関係者が来てくれました。「長い間、ありがとうございます」と伝えました。皆さん、「青梅に来たら寄ります」と、温かい言葉をかけてくれました。1973年に食堂としてスタート、89年に居酒屋になったなぎさは、東芝と共に育ってきました。
いまは領収書を渡す機会も減りましたが、以前は本社社員が工場帰りに立ち寄り、タクシーで都内へ帰っていきました。スポーツも盛んで、バレーやラグビーなど毎週のように工場内で大会が開かれ、打ち上げに来てくれました。不安はありますが、東芝も窮状を脱するよう、頑張ってほしい。
※AERA 2017年4月17日号