足の爪がこんなにくっきり縦長に見えたのは何年ぶり!? (※写真はイメージ)
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 TBSラジオ「ジェーン・スー 生活は踊る」パーソナリティーで、働くシングル女性の間で絶大な人気を誇るコラムニスト、ジェーン・スー。多忙な日常の中でためこんだ疲れを解消すべく、都内のさまざまなマッサージ店やリラクゼーションサロンを放浪している彼女だが、その遍歴をまとめた一冊『今夜もカネで解決だ』の中で、働く女のナマ足と、フットケアについて考察している。

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 夏の女の足は汚い。なぜか? 素足でパンプスやサンダルを履くからです。

 加えて、紫外線による日焼けダメージ。クーラーによる乾燥ダメージ。冷えによる浮腫みダメージ。ナマ足なんて聞こえのいい言葉がありますが、夏の素足は人に見せられたものではないのです。

 もちろん、私の足も散々な状態です。浮腫みやかかとのひび割れのケアなら足裏マッサージに行けばいいけれど、爪の甘皮処理までやってくれるお店はありません。それではネイルサロンへ……と思えど、ネイルサロンだとマッサージが不十分なのです。どうしたものかと頭を悩ませ、グーグル様に教えを乞い、今回は恵比寿のドイツ式フットケアサロンに行ってきました。

 足に関するマッサージ業界では「◯◯式」と◯◯のところに国の名前を入れて差別化を図る傾向があります。中国式、台湾式、英国式といったところが一般的です。今回私が「ドイツ式」を選んだのは、マッサージだけでなく、外反拇趾の解消、巻き爪、うおのめやタコ、硬くなった角質を除去する施術が含まれていたからでした。

 ドイツにはポドロジーと呼ばれる足学があるそうで、靴文化のヨーロッパならではの足トラブルを解決するため発展した学問とのこと。ドイツでは数千時間の履修を要する国家資格ですが、同じことを日本でやると医療行為に抵触してしまうらしく、日本流にアレンジされたものがあります。

 駅から歩いて5分、マンションの一室、30代女性がひとりで運営。女性オーナーのサロンに多くある形態です。施術者さんは元OLに違いない。20代のうちにお金を貯めて資格を取り、念願のサロンをオープンして2~3年というところでしょうか。私はフットバスを受けながら想像を膨らませました。

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ジェーン・スー

ジェーン・スー

(コラムニスト・ラジオパーソナリティ) 1973年東京生まれの日本人。 2021年に『生きるとか死ぬとか父親とか』が、テレビ東京系列で連続ドラマ化され話題に(主演:吉田羊・國村隼/脚本:井土紀州)。 2023年8月現在、毎日新聞やAERA、婦人公論などで数多くの連載を持つ。

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