●五輪より「食の安全」

 飛ぶ鳥を落とす勢いの小池新党。自民党以外の政党との連携、かつての大阪維新の会のような国政進出はありうるのか。
──公明党、民進党との連携は。

 公明党は都政では自民党との連立を解消して旗色を鮮明にしています。民進党はそうではないので、都議会自民党の補完勢力のままなのか慎重に見極める必要があります。

──都政改革のために、維新のように国会に足場を築く必要性はないのか。

 東京は大阪と違い地方交付金不交付団体なので、かつての大阪維新の会とは問題意識が違います。もちろん選択肢はいろいろありうるので最終的には小池知事の判断になりますが。

 既存政党にも都庁職員にも有能な人材はたくさんいる。そういう人たちの力を幅広く借りて都政のブラックボックスを打破し、世界の都市間競争に勝ちあがるのが「東京大改革」。維新の進む道とは違うのでは、と考えています。

 都政で最大の話題となっているのは築地市場移転問題。移転先の豊洲市場での9回目の調査で、基準値の79倍にものぼる有害物質のベンゼンが検出された。

──市場問題の着地点は。

 再調査でどういう数値が出てくるか、がポイントです。そもそも小池知事になってから2回も、基準値以上の有害物質が検出されている。再調査で高い数値が出れば当然安全宣言は出せませんし、低い数値が出たとしても直近の数値はなんだったのかとなる。一歩間違えば調査そのものに疑念が生じかねない状態で、そこがクリアにできない限りは安全宣言は出せない。結論が出るまである程度、時間がかかると思います。

──移転がずれこめば費用負担に加え、東京五輪のアクセス道路建設にも影響が出るとされている。パンドラの箱を開いたともいえるのでは。

 こういう問題を明らかにしたことは間違いなくプラス。五輪という一過性のイベントよりも食の安全は大事ですし、築地ブランドも大切。道路に関しても、問題はないと判断しています。

 移転の過程をめぐっては、石原慎太郎元都知事の参考人招致も決定している。

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