この12月ですべてがチャラになるわけですから、1年ですべて清算されてしまうという日本人の意識はなんとなくわかる気がしますね。12月31日が終わったからといって何かが変わる筈はないのですが、そうやって1年単位ですべてを新しくしてしまう発想はどうやらかなり前から日本人に根付いてきた慣習のようです。
しかし、実際には単なる12月から1月への移行にすぎません。その意味ではマクロ経済的にも年が変わる、ということ自体にあまり意味はない筈ですが、多くの日本人がそういう意識を持っているのだとすると、年が変わることでマインドやお金の使い方などの意識が突如変わってしまうということも起こり得るので、前の年とは全く違う経済状況が生まれる可能性も。
それこそ借金がチャラになってしまえば、翌年の経済行動に影響を及ぼすことが物理的にあり得ますし、そこまでいかなくても意識だけでもかなりの変化を期待することは可能でしょう。ということで、この年末年始が日本経済にとって大いなる転換点になるように願いたいものです。
※AERA 2016年12月19日号