●男女それぞれのコツ
Sansanシニアマネジャーの芳賀諭史さん(37)も、部下には積極的に話しかける。
以前、別の会社に勤めていたときは、自分と同じレベルの仕事のクオリティーを周りにも求めて、チームのメンバーが疲弊し、脱落することもあった。マネジャーになったいま、その失敗は繰り返したくない。
「相手をとことんまで追い詰めることはやめました。いまは、なるべく楽しそうな雰囲気を出すようにしています」
マネジャーになってからは、『3分間コーチ』というベストセラーの方法論を取り入れて、
「今日は◯◯社に行くの?」
「今月決まりそうなあの案件、どうなってる?」
といった細かな質問をするよう、心がけているという。
「忙しいときも、たとえ短くても時間をとって、部下の話を聞き、それぞれの行動や動機に裏付けていこうとしています」
男女の部下で、コミュニケーションの仕方を変えているのだろうか。
「男性部下には、ポイントを絞って結論から報告するように求めますが、女性の部下にはそういうことは言いません。じっくり話を聞くようにしています。『どんな細かいことでも、いつでも相談してね』と、よく言っていますね」(芳賀さん)
効率的なコミュニケーションのためには「場づくり」も欠かせない。広島県庁の大内さんは、会議は必ず午前中にやることを提案し、課のルールにした。
「一日の早い段階で方針を決め、午後はそれに向かって突き進む。残業減にもつながります」
フロアには、立って会議をする机を取り入れた。足が疲れるため、会議が長引かない。
そんなフロアを、
「話しかけられやすい雰囲気を作るよう、机にふんぞり返らずなるべく声かけしながらうろうろしています」
部下は用事もないのに上司に話しかけたりはしづらいものだから、と。