大阪モノレールも大阪空港のアクセス路線だが、それだけでなく、大阪都心から放射状に延びる既存の鉄道路線を結ぶ役割も果たしている。

 90年にまず千里中央~南茨木間が開業して以来、路線を延ばし、現在では大阪空港~門真市間の本線に、支線の彩都線(万博記念公園~彩都西間)を加え、その営業距離は28キロにおよぶ(東京モノレールは17.8キロ)。これは11年に中国の重慶軌道交通に抜かれるまでモノレールにおける世界最長記録だった。

 旅客数は年々増加傾向にあり、15年度には年間で約4455万人と、前年度より13.1%も増えた。これは沿線の万博記念公園に大型複合施設エキスポシティが開業したのが大きい。実際、開業した11月以降、1日当たりの旅客数が急増している。

 万博記念公園は70年の大阪万博会場の跡地を整備したものだ。万博開催時に建てられた太陽の塔はいまだに公園のシンボルであり、駅を降りた人たちを出迎えてくれる。東京モノレールもまた、浜松町付近では東京タワーを望みながら東海道新幹線をまたぐなど、車窓からは高度成長期をしのばせる風景が眺められる。(ライター・近藤正高)

AERA 2016年9月26日号

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