ハービー・ハンコックのグループ要員としてやって来た20歳のウイントン・マルサリスに、初めて会ったのは1981年。以後、再会のたびに、驚きと照れくささの混じった笑顔で、いつも応えてくれるやさしいウイントンです。クラシックやジャズという音楽の壁を超え、完璧なテクニックでイカセてくれるイカシたウイントンです。
音楽教育者でありジャズ・ピアニストの父エリス。スティングのバンドにも参加したサックスの兄ブランフォード。次男坊がトランペットのウイントン。トロンボーンも吹くが、もっぱらレコード・プロデューサーとして活躍の弟デルフィーヨ。そして末弟はドラマー、ジェイソン。音楽一家マルサリス家が揃ったオールスターズのコンサートをニューヨーク、ハーレムの教会で聴く貴重な体験をしました。
九州でのコンサートのあと、街のおでん屋台に一緒に出掛けたことがありまして。飲んだビールの勢いを借りていつもは照れ屋のウイントン、夜の小倉の街でちょっとふざけたオフ・ステージの写真をたくさん撮らせてくれました。普段、あまりお酒を飲まないウイントンだけど、ジャズ・バーのカウンターにちょっと座ってもらってハイ、ポーズ!。
エッ?なんだか酔ってるみたい?
ニューオリンズの音楽一家に育ったウイントンは、教会の楽団で吹き始めたという。早くからクラシックを、ニューヨークへ移ってはジュリアードに学んできっちりと音楽教育を受けたお利口さん。アート・ブレイキーのバンドへの参加を機にジャズ畑にも進出してその才能を爆発させた。以後クラシック、ジャズの両部門でいくつものグラミー賞を総ナメの勢いで活躍。後進への教育にも実に熱心な正統派音楽伝道師であります。
ウィントン・マルサリス:Wynton Marsalis (allmusic.comへリンクします)
→トランペット奏者/1961年10月18日~